新コロ・検査が遅れているのはなんでだろう?

新型コロナウイルスによる肺炎での死者数がついにSARSの死者数を超えて、現時点で800人超。これからまだまだ増えることが予想されます。

 

大部分は中国本土でのことですが、日本国内にも中国からの観光客とともに新型コロナが入ってきていますが、今のところの感染者は限定的です。

 

調子が悪くなったらすぐに検査をしてもらいたいと思うものの、新型コロナの検査に関して、すぐに実施してもらえないのが現状です。

 

ダイアモンドプリンセス号の3000人を超える搭乗者に対しては全員実施するべきだと思いますが、検査できる検体数に限りがある、との理由からか、症状がある人や陽性の人との接触者に限られています。

 

そもそも、新型コロナウイルスに対する検査とはそんなにも難しいものなのでしょうか?

 

知る限り、ウイルスのPCR検査は技術的には難しくないと思います。

 

検体からのサンプル調製試薬(RNA抽出と逆転写反応)、PCR検査に用いる試薬(プライマー・PCR酵素)、機械(サーマルサイクラー、おそらくリアルタイムPCR?)など、これらのものについては国内にたくさんあります。

 

従来の方法であれば、サンプル数にもよりますが、仮に20-30サンプル程度ならサンプル調整から結果を得るまでに一人の実験者で1日以内完了できます。

もっと簡便な方法(サンプル調整や逆転写のステップを必要としない方法)であればスループットはもっと上がるはずです。

難しい実験かというと、基本的には試薬を混ぜるだけなので、手順通り実施すれば誰でもできます(が、ある程度経験がある人が試験するべき)。

単純にPCRのみなら、研究室の一人の実験者が通常の勤務時間(約8時間)内に1000サンプルでも実施可能です(サンプル調整などを分担すれば)。

 

一番の問題は、元のサンプルが「ヒトに対して感染性をもつ可能性があるサンプル」ということで、こういったものを実験室で扱うためには、空調や、試験後のサンプルを不活化させる(滅菌するなど)設備が整った空間でないと許されていないことなのではないかと思います。

 

病院や大学や研究所にはこういった特殊なサンプルを扱うことが許可されている設備が整備されている場所もあリます。未知の病原体(この場合はウイルス)などの大規模感染を防ぐためには、どこにどの程度広がっているのかを早く把握することが重要なので、今回のような緊急時には活用できるように法律や検査体制を整えてもらいたいと思います。