テセウスの船・最終話・感想と考察・満足度は??

テセウスの船、完結しましたね。

私はこの結末自体にはだいたい納得のゆくものでした!

このクールで一番、楽しく観れたドラマでした。

(もちろん、他にも面白いドラマありました。例えば、「恋つづ」とかもよかったですが、これは毎週考察するようなドラマでなかったですから)

 

以下、テセウスの船、最終話を含めた全体の感想・考察です。ネタバレを含みます!!!

 

最終話では、真犯人(加藤みきおとその共犯者)が明らかになり、結末としては、心さん(竹内涼真さん)の犠牲のもと、佐野家の家族がバラバラになることはなく、30年後の佐野家と心さんと由紀さん(上野樹里さん)の家族の食事会ので締めくくられました。

 

音臼小事件(最新の世界線では起きませんでしたが)、あるいは、佐野家を狙った一連の事件とはあまり深い関係にない因縁(情報)がやや多かった印象に思います。これらのメインの事件に深く関係しない因縁のおかげで、話がだいぶ難しくなっていたように思います。

 

例えば、校長(笹野高史さん)の息子のお話とか(失踪に思われたのが結局は疎遠になった東京に息子に会いに行ってただけ)、さつき先生(麻生祐未さん)の子供に対する異常な執着とか(校長先生をさつき先生は昔できてた?)、先週(9話)の徳本(キンコメ・今野さん)と井沢のおじさん(六平直政さん)のイノシシ鍋の件とか、怪しい、悪い表情やカットが実は事件と深い関係がないパターンが考察を難しくしていました。

 

佐野さん(鈴木亮平さん)が捕まっているときも、監察官(小藪千豊さん)が悪い表情をしていましたが、これも結局フェイクだったようで。

 

事件の細かい描写についても、最後まで細かく語られることがなかったものもいくつかあるようです。

 

例えば、佐野家に証拠をどのように隠したか(ワープロの細工や青酸カリ)と証拠品の持ち出し(フロッピーディスクの持ち出しと処分)や、 金丸さん(ユースケ・サンタマリアさん)との会話(深夜の学校前)や、崖から落として殺した描写についても細かく語られることはありませんでした。

未来の世界で大人みきおが田中まさし(霜降り・せいやさん)を殺した?部分もそうですし、その前に未来のさつき先生をオレンジジュースで殺した?「小太りの男」の部分も結局語られていませんでした。

 

ただ、全部の情報が綺麗につながる必要がない、と割り切ったり、細かいことを気にしないで考えると、加藤みきおの共犯者が田中まさし(霜降り・せいやさん)で、最終話で語られた動機(佐野家を狙う動機)もおおよそ筋が通る、納得のいくものだったと思います。

むしろ、9話までの情報では、状況的に怪しいと考察はできても、動機も含めて田中のまさしが共犯と断定できる根拠はなかったと思います。

 

また、逮捕された佐野さんの解放に繋がったのは、みきお少年が自供して、服毒したことが大きく、心さんの名推理!ってわけではなく、むしろ、みきお少年の「鈴ちゃん愛」に助けられた形でした。みきお少年が鈴ちゃんを好きになった理由は、割と、予想できるものでした(鈴ちゃんは誰にでも優しかったので)。

 

このドラマのテイストとしては、ミステリーものとして、細かいトリックを暴いていくのではなく、(主には)佐野家の家族が、お互いを信じていけるかどうかの部分に大きく重点がおかれていて、誤認逮捕された佐野さん(お父さん)を信じる鈴や伸吾の描写や、タイムカプセルの中の佐野さんの手紙の内容も、家族のつながり、信頼の大切さを感じさせるものでした。

(作品の製作者の意図なのかなと。)

 

観終わった後に、あれはどうなったんだろう?という部分は少し残りましたね。

例えば、タイムスリップした心さんは、佐野家を守るために刺されて死んでしまうようですが、そのお葬式とかはどうしたんだろうか?とか(戸籍的に)、お母さん(榮倉奈々さん)がタイムカプセルに家族の思い出といって使い捨てカメラを入れていましたが、そこに未来からきた心さんが写っていますが、あとで現像して、「あれ?生まれてきた心くんにそっくりじゃない?」ってならないのか、とか。

心さんはそのタイムカプセルの中に、指輪(Yuki to Shin)と佐野家の家系図を入れていましたが、それはお母さんは見ていないのか?とか。

伸吾は成長してハライチ・澤部さんになっていましたが、髪伸ばしたいと思わなかったのか?とか笑

 

佐野さんを無罪にするために服毒したみきお少年は成長して、さつき先生とお店をやっていましたが、改心したのかとか(きっと改心したのでしょう)。

 

未来からタイムスリップしてきた心さんは、殺人犯の息子として30年近く生きてきて、暖かい家族というものを知りませんでしたが、過去の世界での数ヶ月、自分が生まれる前の佐野家の家族に触れて、その家族のつながりを結果的に守ることができて報われたのかなと思います。

 

結局、全てを知っているのは佐野さん(お父さん)だけ、になってしまい、事件後に新しく生まれてきた心さんは何も知らないので、少し寂しそうな感じもしました(「テセウスの船」というパラドクスについて語られていましたが)。

 

全部の回を見終えて、このドラマ「テセウスの船」が佐野家のハッピーエンドで終わったことで、(細かい矛盾は置いておいて)大変、満足度の高い、感想になりました

 

ありがとうございました!